組織としての詐欺対策の仕組みづくり
この教材でわかること:フィッシングやビジネスメール詐欺などへの対策を、個人の注意だけに頼らず、小さな会社でも無理なく始められる「組織としての仕組み」にする考え方です。
このカテゴリでは、「ソーシャルエンジニアリングとは何か」から始めて、フィッシング・SNSでの情報漏洩・ビジネスメール詐欺(BEC)といった具体的な手口を見てきました。この教材では、個人が1つずつ気をつけるだけでなく、組織として取り組める仕組みに広げていく考え方を紹介します。
「個人が気をつける」には限界がある
フィッシングやビジネスメール詐欺の手口は年々巧妙になっており、気をつけているつもりでも見分けがつかない場合があります。1人ひとりの注意力だけに頼るのではなく、「怪しいと気づいた人が、すぐに・迷わず報告できる仕組み」があるかどうかが、組織としての備えを大きく左右します。
怪しいと思ったら、まず誰に、どう伝えるか
難しい体制を作る必要はありません。まず決めておきたいのは、次のようなシンプルなルールです。
- 誰に報告するか:社長・情報セキュリティ担当・総務担当など、報告先を1人(または少人数)に決めておく
- どう伝えるか:電話・チャット・対面など、すぐに伝えられる手段を決めておく(メールだけだと気づかれるのが遅れることがあります)
- 怒らない・責めない:「間違って報告しても問題ない」という雰囲気を作っておくこと。報告をためらわせてしまうと、仕組みがあっても機能しません
教材「フィッシング詐欺の見分け方」で紹介したとおり、不審なメールに気づいた際は社内のセキュリティ責任者・管理会社への通報が推奨されています。この「通報する先」を事前に決めておくことが、個人の注意を組織の仕組みに変える第一歩です。
定期的な注意喚起を続ける
一度ルールを決めて共有しただけでは、時間が経つと忘れられてしまいます。大がかりな研修を毎回開く必要はありませんが、たとえば次のような、無理のない範囲での継続が有効です。
- 最近話題になっている詐欺の手口を、ミーティングなどで時々共有する
- 新しく入った社員には、報告先・報告方法を必ず伝える
- 実際に怪しいメールが来たときは、「こういうものが来た」と社内で共有し、他の人の注意にもつなげる
小さな会社でも無理なく始められる範囲
専任の担当者を置いたり、大がかりな仕組みを整えたりする必要はありません。「報告先を決める」「ためらわず報告できる雰囲気を作る」「気づいたことを共有する」という3点を押さえるだけでも、何も決めていない状態と比べて大きな違いになります。
何をすべきか(まとめ)
- 怪しいと思ったときの報告先と、伝える手段を1つ決めておく
- 「間違って報告しても問題ない」ことを、社内で一度明確に伝えておく
- 気づいた事例を、できる範囲で社内に共有する機会を作る
参考にした公開情報
この教材は公開情報をもとに、セキュリティ担当がいない方にも分かるよう編集部がまとめたものです。個別の会社に合った体制は、規模や業務内容に応じて調整してください。
