初心者向け認証・アクセス管理約8分

従業員の退職時に必要なアカウント整理

この教材でわかること:退職した社員のアカウントを残しておくとどのような危険があるのか、そして退職日の対応をどのように決めておけばよいかです。

退職者のアカウントが残っているとどうなるか

社員が退職した後も、その社員が使っていたメールアカウント、サイトの管理画面、クラウドサービスへのログイン情報が有効なままになっていると、本人に悪意がなくても、第三者がそのアカウント情報を使って社内の情報やサイトの管理画面にアクセスできる状態が続いてしまいます。パスワードが他のサービスでの漏えいなどを通じて第三者に知られてしまった場合、退職後何カ月も経ってから不正アクセスに使われる可能性も否定できません。教材「管理画面を守る基本」で触れた管理画面へのアクセスも、退職者のアカウントが有効なままだと守りきれません。

多くの会社で対応が遅れがちという実態

ISOプロが2026年5月に実施したインターネット調査(経営層・管理職・情報システム部門の担当者1,019名が回答)によると、退職者のアカウント停止・権限変更を「退職日当日」に完了させている会社は22.1%にとどまりました。「退職後数日以内」まで含めると約51.8%になりますが、「1カ月以上かかる」「定期的な棚卸しのタイミングまで放置する」といった回答も合わせて約18%ほど見られ、対応のタイミングが担当者によってばらつきやすいことがうかがえます。同調査では、対応が遅れがちな理由として「個人のモラルや意識に依存している」という回答が最も多く挙げられていました。

退職日に何を整理すべきか

  1. サイトの管理画面・FTP・ドメイン管理画面へのアクセス:退職する社員が使っていたログイン情報を無効化し、共有していたパスワードを変更します。個人名義のアカウントで管理を続けている場合は特に注意が必要です。
  2. 業務用メールアカウント:退職後すぐに削除・停止するか、問い合わせの引き継ぎが必要な場合は、一時的に別の担当者へ転送設定をした上で無効化します。
  3. クラウドサービス・SNSアカウント:会社のGoogle Workspace・Microsoft 365・SNS公式アカウントなどへのアクセス権限を外します。
  4. 社外に持ち出した端末・USBメモリ等:業務用データが入ったままの端末を返却してもらいます。

何をすべきか(まとめ)

  1. 「退職日当日にアカウントを停止する」ことを、会社としてのルールとして決めておく(担当者の裁量に任せない)
  2. 誰がどのアカウントを使っているか、あらかじめ一覧にしておく(棚卸し)
  3. サイトの管理画面やドメイン管理画面のアクセス権限は、個人名義ではなく会社として管理できる形にしておく

参考にした公開情報

この教材は公開情報をもとに、セキュリティ担当がいない方にも分かるよう編集部がまとめたものです。引用した調査結果は特定の調査会社が実施した自己回答式の調査であり、全ての会社に当てはまる数値ではありません。

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