ソーシャルメディアでの情報漏洩対策
この教材でわかること:SNS(ソーシャルメディア)の利用から、どのような形で社内情報が漏れてしまう可能性があるのか、そして会社として気をつけるべき基本的な対策です。
SNSが情報漏洩の入り口になる理由
SNSは、会社の公式アカウントによる発信だけでなく、社員個人の投稿も含めて、外部からいつでも見られる情報です。本人に悪意がなくても、次のような形で意図せず社内情報が外部に伝わってしまうことがあります。
- 業務の様子を写した写真に、画面の内容や資料が写り込んでいる
- 取引先の名前や進行中の案件について、個人のアカウントでうっかり発信してしまう
- 社員の肩書き・業務内容・休暇予定など、断片的な情報の積み重ねから、組織の構造や手薄になるタイミングが推測されてしまう
標的型の攻撃につながる可能性
IPA(情報処理推進機構)が毎年公表している「情報セキュリティ10大脅威」の2026年版(2026年1月29日公表、5月21日最終更新)では、組織向けの脅威の第5位に「機密情報を狙った標的型攻撃」が挙げられています。標的型攻撃では、攻撃者が事前に標的となる組織や担当者について情報を集め、実在する取引先や上司を装った、本物らしいメール・メッセージを送ってくる手口が使われます。SNS上で公開されている組織構成や取引関係、担当者名といった情報は、こうした「本物らしさ」を作るための材料として利用されうるものです。また、個人向けの脅威の一覧には「メールやSNS等を使った脅迫・詐欺の手口による金銭要求」も挙げられており、SNS経由のやり取りそのものが詐欺の手口に直接使われるケースも継続して報告されています。
会社として気をつけたい基本
- 公式SNSアカウントの運用ルールを決める:投稿前に、画面写り込みや取引先名の記載がないかを確認する担当者・手順を決めておきます。
- 社員個人の発信について、最低限の線引きを共有する:業務内容の詳細、取引先名、社内の人員体制などは、個人のSNSでは発信しないという基本を共有しておきます。業務上知り得た情報の扱いについては、教材「制作会社に確認すること」で触れた委託先との情報管理の考え方と同様、社内でも明確にしておくことが望まれます。
- 公式アカウントのログイン情報を適切に管理する:SNSの公式アカウントも、サイトの管理画面と同様にログイン情報の管理対象です。教材「管理画面を守る基本」や「安全なパスワードマネージャーの選び方」で触れた基本は、SNSアカウントにも当てはまります。
- SNS経由で届いた見慣れない依頼を安易に信用しない:SNSのダイレクトメッセージなどで急な金銭・情報のやり取りを求められた場合は、別の手段(電話など)で本人確認をしてから対応してください。
何をすべきか(まとめ)
- 公式SNS運用のチェック体制を決める(画面写り込み・取引先名の確認)
- 社員個人の発信について、業務情報を発信しないという基本を社内で共有する
- SNSの公式アカウントのログイン情報も、サイトの管理画面と同じ水準で管理する
参考にした公開情報
この教材は公開情報をもとに、セキュリティ担当がいない方にも分かるよう編集部がまとめたものです。IPAの資料はSNSそのものを主題とした文書ではないため、本教材の個別の対策項目は、一般に知られている基本的な注意点を編集部が整理したものであり、IPAが直接推奨する項目として記載しているわけではありません。
