初心者向け認証・アクセス管理約7分

アクセス権限の設計:最小権限の原則

この教材でわかること:会社の人数が増えてきたときに考えたい「誰が何にアクセスできるか」の設計の考え方、特に「最小権限の原則」と、共有ログインか個人ごとのアカウントかという選択のポイントです。

このカテゴリでは、「パスワード管理の基本」と「管理画面を守る基本」から始めて、パスワードマネージャー・多要素認証アプリ・退職時のアカウント整理と、1つひとつのアカウントをどう守るかを見てきました。この教材では、会社の人数が増えてきたときに考えたい、「誰が何にアクセスできるか」そのものの設計の考え方を取り上げます。

1〜2人の頃と、人数が増えたときの違い

会社が1人、または家族・ごく少人数だけで運営されている間は、全員が全ての情報にアクセスできる状態でも、大きな問題になりにくいかもしれません。しかし、スタッフやアルバイト、外部の協力者が増えてくると、「全員が管理者権限を持っている」状態は、だんだんとリスクになっていきます。関わる人が増えるほど、パスワードが漏れる・推測される入口も増え、誰が何にアクセスしたのかも把握しづらくなります。

最小権限の原則とは

最小権限の原則(Principle of Least Privilege)とは、それぞれの人に、業務上どうしても必要な範囲のアクセス権限だけを与え、それ以上の権限は与えないという考え方です。たとえば、ブログ記事の執筆だけを担当するスタッフに、サイト全体の設定を変更できる管理者権限を与える必要はありません。多くのCMS(WordPressなど)には、「管理者」「編集者」「投稿者」のように、役割に応じて権限を分ける仕組みが用意されています。

共有ログインか、個人ごとのアカウントか

もう一つ考えておきたいのが、「同じログイン情報を複数人で共有するか、1人ひとりに別々のアカウントを用意するか」という選択です。

  • 共有ログイン:管理の手間は少なく済みますが、誰が何をしたのかが分からなくなり、退職者が出たときにパスワードを変更すれば済むとは限らず、他の利用者にも影響が出ます
  • 個人ごとのアカウント:最初の設定にやや手間がかかりますが、誰が何をしたかが分かりやすく、1人が退職してもその人のアカウントだけを無効化すれば済みます

教材「従業員の退職時に必要なアカウント整理」で紹介したとおり、退職時のアカウント整理は個人ごとのアカウントであるほどスムーズに行えます。スタッフが2〜3人を超えてきたら、個人ごとのアカウントへの切り替えを検討する価値があります。

発展的な仕組みは、必要になったら検討する

会社の規模がさらに大きくなり、使うサービスの数が増えてくると、1回のログインで複数のサービスにまとめてアクセスできるSSO(シングルサインオン)のような仕組みが検討されることもあります。小規模な事業者の段階では必須ではありませんが、「アカウントが増えすぎて管理が大変になってきた」と感じたタイミングで検討してみるとよいでしょう。

何をすべきか(まとめ)

  1. 今、誰が何にアクセスできる状態になっているかを一度書き出してみる
  2. 業務上不要な管理者権限を持っている人がいないか確認する
  3. 共有ログインで運用している部分があれば、個人ごとのアカウントへの切り替えを検討する

この教材は、これまでの教材で紹介したアカウント管理の考え方を踏まえ、権限設計の基本を編集部がまとめたものです。個別の会社に合った設計は、業務内容や規模に応じて調整してください。

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