セキュリティ専門家への相談タイミング
この教材でわかること:セキュリティ担当がいない会社が「このまま自分たちだけで対応していいのか、専門家に相談すべきか」を判断するための目安と、実際に無料で相談できる公的な窓口です。
自分たちだけで判断するのが難しい場面
教材「インシデント発生時の初動対応」では、何かが起きたときの最初の行動(端末を切り離す、記録を残すなど)を解説しましたが、その後の対応を自分たちだけで最後まで進められるかどうかは、状況によって異なります。次のような場合は、自分たちだけで判断せず、早めに専門家や公的な窓口に相談することをおすすめします。
- ランサムウェアなど、ファイルが暗号化・削除され、身代金を要求されている
- 不正アクセスの形跡があるが、どこまで被害が広がっているか自分たちでは判断がつかない
- 個人情報の漏えいが疑われ、本人への通知や関係機関への報告が必要かどうか判断に迷う(教材「個人情報保護法とサイト運営者の義務」も参考にしてください)
- 標的型攻撃(特定の組織を狙った、巧妙に作られた攻撃)の可能性がある
無料で相談できる公的な窓口
IPA(情報処理推進機構)は、企業・組織向けの「サイバーセキュリティ相談窓口」を設けています。IPAの案内によると、この窓口では次のような対応をしています。
- 起きていることを聞き取り、被害の可能性や緊急対応についての助言を行う
- インシデント対応を専門に行う企業など、適切な相談先を紹介する
- 標的型攻撃の疑いがある場合、IPA内の専門チームが対応する
- 中小企業向けのセキュリティガイドラインや支援ツール・支援施策の案内を行う
ただし、IPAの案内では、IPA自身がインシデントの調査・解析を行うわけではなく、法律相談や契約に関する相談、端末・ログの調査依頼には対応していないとされています。これらが必要な場合は、専門の対応企業や弁護士などへの相談が必要です。また、ランサムウェアの被害に遭った場合や、不正アクセスの形跡がある場合は、IPAだけでなく警察(都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口、緊急時は110番)にも相談・通報することが推奨されています。
判断の目安(まとめ)
- 被害の範囲が自分たちで把握できない:すぐにIPAの相談窓口に連絡し、状況を伝えて助言を受ける。
- 身代金要求や個人情報漏えいの疑いがある:自己判断で対応を進めず、専門の対応企業や警察、必要に応じて弁護士に相談する。
- 「相談すべきかどうか」自体で迷っている:迷っている時点で、まずはIPAの窓口に連絡してみることをおすすめします。IPAの案内でも、どの窓口に連絡すべきか分からない場合はまず企業向け相談窓口に連絡するよう案内されています。
参考にした公開情報
この教材は公開情報をもとに、セキュリティ担当がいない方にも分かるよう編集部がまとめたものであり、法律の専門的な判断に代わるものではありません。緊急性が高いと感じる場合は、本教材を読むよりも先に、まず該当する窓口に直接連絡してください。
